2021年3月24日水曜日

第2回 創業者交流会

3月20日(土)に第二回あきる野Bi@Sta創業者交流会を開催しました。

緊急事態宣言期間中ということもあり、飲食無し、感染防止措置を徹底しつつの開催となり

ましたが20名超の創業者に参加いただきました。

参加された皆さん!本当に有難うございました。

第一回交流会以降、Bi@Staの相談者同士、創業塾の同期生同士など少しづつコラボ企画が

生まれています。

今回もテーブルごとに熱のこもったディスカッションが行われました。

これからも地域に元気を与えるような協業企画がたくさん生まれることを期待しています。 






2021年3月23日火曜日

小さく始めよう【起業を迷っている方向け】

 こんにちは、中小企業診断士の白井です。 

 起業というと「資金調達→店舗や設備用意→商品作り→営業開始」のような流れを想像する方も多いと思います。しかし、いきなり多額の借金をしたり、長期にわたって経営を制限する固定資産を持つのは、予めかなり入念な計画を立てる必要があります(計画なしに資金調達は行えません)。そして必ずしも計画通り事業が進むわけではありませんので、リスクも大きくなります。

 優れたアイデアや商品があることと、事業が採算に乗ることは別問題です。様々な要因が重なり、その事業が軌道に乗るまでに時間が掛かることもあります。重い固定資金を背負うということは、不確実な環境変化への耐性が落ちることを意味します。

 せっかく面白い商品やサービスが、資金繰りという事情により日の目を見ることなく終わってしまう・・・これは非常にもったいないことです。

 そこで考えて頂きたいのは、ビジネスを小さく始めるということ。小さく始めるとはどういうことか。それは、高額な投資や出費を行わず、今ある資源(時間、物的資源、ノウハウや技術)でお客様のニーズを満たすことを考える、ということです。

 例えば美容室は通常店舗を持つことが必要と思われますが、「おしゃれを提供する」という美容室の”はたらき”に着目してみると、その手段として店舗は絶対条件ではないと気が付きます。

 もちろん、サービスに合わせた世界観を体現するために店舗が必要、という考え方もあります。しかし、最も大切にしたいことが「カット技術」なのであれば、店舗は後回しにして、まず「カット技術」を届けることを現有資源でできないかを考えてみます。例えば出張サービスなら、お客様の施設で施術できるようになるので、店舗を持たずとも価値を提供できます。

 雑貨販売ならECサイトや、イベント出店で提供する、などです。

 路上の靴磨きから始め、今では青山に会員制の店舗を持つに至った靴磨き専門店もあります。

 このような小さなビジネスは、会社員をやりながら休日に行う副業から始めることも可能です。そしてここから先が重要なことです。

 副業で超低リスクでビジネスをやりながら、そこで出会った顧客の情報を取得し、関係性を深め、徹底的に顧客ニーズや自社サービスの改良点をヒアリングしていくのです。これで得た顧客資産とニーズ情報は、何にも勝るあなたの資産になります。

 そしてある程度ファンができ、ニーズを把握でき、それに応える商品サービスに改良できた段階で、あなたがやりたいより大きな投資を行い、起業する・・・

 このようなステップを経ることが「小さく始め、大きく育てる」ビジネスの始め方です。

 そして、たとえ少額でも自力でお客様からお代を頂戴できる経験は、自信につながります。

 自己資金がほとんど用意できないような場合や、未経験業界で起業する場合、融資のハードルは相当高くなります。仮に融資を受けられたとしても相当なリスクを背負う必要があります。

 しかし、だからと言って自己資金が溜まるまであなたの持っている商品・技術・ノウハウが世に出せないのも非常に勿体ない話です。また、市場は常に変化しますから、何年もお金を貯めて起業を先延ばしにしているうちに、マーケットのニーズがなくなっている可能性もあります。

 確かに起業にリスクは付き物ですが、そのリスクを最小限にした形でお客様に価値を届けることは可能です。副業という形で、あなたの持つ強みや提供価値の中から低コストで提供できる価値とその届け方を見つけてみると、起業の夢がグッと近づくと思います。

2021年3月13日土曜日

大震災復興ライブ配信の紹介

 Bista会員の(株)アルテピアノコミュニティ様が3月11日に東日本大震災復興にちなんだライブ配信を行いましたので、紹介させて頂きます。

動画は、下記アドレスから参照してください。

https://www.facebook.com/hiroe.suzuki.3382/videos/2165339563597235



2021年3月4日木曜日

簡単! 什器、備品、設備、HP、雇用等への投資判断方法

 こんにちは、中小企業診断士の白井です。

 起業してビジネスをしていると、色々と新しい什器備品、設備を追加購入したり、HPを新しくしたくなったりしますよね。そんな時に悩むのが費用対効果。

「購入したい。けれども結構まとまったお金が出て行ってしまう。それに見合っただけのリターンが得られるだろか」このように迷うことは沢山あると思います。

 そんな時にどのような考え方で意思決定したらよいか?その方法をお伝えします。この方法はとても簡単であらゆる場面で応用が効きますので、ぜひ試して頂ければと思います。


 費用対効果を知るには、まず掛けた費用に対していくらのリターン(つまり収入)が得られれば良いか、を明らかにすることが大切です。その必要リターンをハッキリ掴めれば、それが実現出来そうもない話なのか、それとも実現できそうなのかが判断できます。

 ではどのように必要リターンを掴むのか?それは、発生する費用をあなたのビジネスの粗利益率で割り戻すだけです。

 計算式:発生費用÷粗利益率=発生費用回収売上高

 これだけです。これで費用回収に必要な売上高が出ますから、それ以上の売上高獲得を見込める投資だと判断できれば、前向きに購入を検討すればよいことになります。


 ある相談事例を紹介しましょう。飲食店事業者様から「あるポイントカードの加盟店になるべきかどうか」というご相談を頂いた事例です(数字は改変しています)。

 このポイントカードは、お客様が飲食したときにポイントカードを持っていれば飲食代をポイントとしてポイントカードに貯められる仕組みです。事業者がポイントカードの加盟店となれば、ポイントカードを持っているお客様を誘店できるようになり、来客増加が見込めるということです。お馴染みのシステムですね。

 さて、この加盟店となるための条件が次の通りでした。

 ・初期費用65,000円

 ・月費用(毎月発生)8,000円

 初期費用と月費用に分かれていますが、こういうのはシンプルに考えるのと良いです。まず月費用は年額換算します。

 すると8,000円×12ヶ月=年間96,000円ですね。

 初期費用は1年で回収できれば良いと考えると、

 1年で回収するべき総費用=初期費用65,000円+96,000円=161,000円

となります。

 次に、この161,000円を回収する売上高を、先述の計算式で計算します。この飲食店の粗利益率は70%です。すると次のようになります。

 発生費用回収売上高=161,000円÷70%=230,000円

※参考:粗利益率=(売上高ー食材費)÷売上高

 つまり1年間で23万円の追加売上を上げられると、1年で投資費用を回収できるということです。 


 でも、これだとまだ実現出来そうかのイメージが掴みにくいですよね。そこで、この23万円を客数換算してみます。これは23万円を平均客単価で割れば算出できます。この飲食店の客単価は850円でした。

 発生費用回収来店客数=230,000円÷850円=271人

 年間で追加で271人の来客があると、発生費用が回収できるということが分かりました。

 しかしこれでもまだイメージが掴めないかもしれません。そうしたら次はこれを12か月で割って月換算します。すると毎月23人の追加来客があればよい、ということが分かります。

 さらにこれを月の営業日数(この事業者様は25日)で割ると、1日当たりの追加来店客数は1人となります。

 つまり、ポイントカード加盟店になることで今の1日あたり平均来店客数プラス1人来て頂ければ、発生費用を1年で回収できるということになります。

 ただ、プラス1人だと発生費用を回収できるだけで利益増加には至りません(2年目以降は利益増加になりますが)。1年目から投資に対して利益を創出するなら、最低、現在の1日当たり平均来店客数プラス2人の来客を獲得できれば効果ありと判定できます。

 この事業者様は、ポイントカードを使うことで少なく見積もっても1日平均3人は来店数を増やせるだろうと判断し、導入に至りました。


 このように、まとまった費用が発生するポイント加盟、什器設備購入、HP改修、人材採用などを検討する際は、回収に必要な売上高をしっかり掴み、これを細分化して「日常の業務レベル」でイメージできるようにすることで、素早く納得感のある判断が出来るようになります。


 注意点としては、他に追加発生費用がないかどうかを調べる必要があることです。例えば人を採用する時には、人件費の他にも旅費交通費や研修費、制服代などの細々した費用も発生し、これが意外と馬鹿にならない金額だったりします。こういう付随する費用を洗い出してから計算することが必要です。


 一度やり方を覚えてしまえば色々な場面で使えますから、ぜひ試してみてください。格段に意思決定が素早くなるはずです。